発達障害で職場に馴染めず悩んでいる女性社員
公開日:2020年10月12日/更新日:2020年10月23日
監修:遠藤まなみ(代表カウンセラー)

「ちょっと変わっている」「個性的な感じ」「わがまま」「空気を読めない」なぜ発達障害を持つ人は生活に支障をきたしてしまうのか!?

近年、発達障害という言葉にふれる機会が増えていますが、発達障害の正しい定義とはどんなものなのでしょうか?

 

文部科学省の「発達障害の法令上の定義」によると、

「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。

 

発達障害を持つ人は脳発達のアンバランスさを抱えて成長するケースが多く、症状自体が子供の頃に発現したとしても、ある程度の知的能力があるためそのアンバランスさをカバーして問題に気づかれずに大人になっていく場合があります。

 

ところが大人になって就職すると、そこで求められる仕事や人間関係が複雑になり、コミュニケーションも取れないことが問題となり社会生活が困難になってしまいます。

 

分かりやすい例でたとえると、小中高まではマイペースで勉強もでき成績も優秀、大学進学後も素晴らしい学業成績を修め、将来有望とまで言われていた。

 

ところがいったん社会に出ると、他人とコミュニケーションが取れないために人間関係が築けず「成績優秀なのに仕事ができない」というレッテルを貼られ、悩み・苦しみの原因となってしまっている、といったものです。

 

 

発達障害で悩んでいる人がカウンセリングを受けた相談事例

先ほどの例のように人間関係が築けないことが原因で、職場で孤立して居場所がなくなり、そのうち出社できなくなってしまい、最終的に引きこもりになってしまうという人も増加しています。

 

こういったように、発達障害で人間関係が上手くいかず悩んでしまうケースは非常に多いと思われます。

 

実際にカウンセリングを受けたクライアントの相談事例をご紹介します。

 

【相談事例①】毎日の生活のすべてに不安と恐怖を感じています。発達障害で休職中の私はいったいどうすればいいのでしょうか?(東京都40代男性)

発達障害が原因のうつ病を発症し休職している40代の男性
私は現在発達障害が原因でうつの症状がでているため会社を3ヶ月休職しています。

 

病院の先生にも診断して頂き、休職期間を延長するか復職するかを判断して職場に連絡することになっているのですが、毎日の生活のすべてに不安と恐怖を感じていて非常に心が苦しいです。

 

精神的にもどん底にいる状態です。

 

今の仕事は勤続25年でとてもやりがいのある仕事でしたが、過去2度の異動により職場の人間関係が悪化し、鬱や嫌がらせで現在の休職に至ります。

 

休職の大きな理由は上司からの執拗な注意や命令です。

 

同じ言葉で何度も注意されることが2週間続き、休職となる前日には業務時間中ずっと注意や私を否定する言葉が続きました。

 

この上司は過去に前部署でも男性社員2名を精神疾患に追い込んだという話も聞いています。

 

休職期間に入っても、とてつもない恐怖心と極度の緊張が続き、病院から処方された薬を飲んでも効き目を感じません。

 

またその上司が夢の中にも出てくるのでなかなか眠れず睡眠不足になっています。

 

正直病院の先生から言われる言葉も「うつを直すのも自己責任。自分を受け入れないとどうしようもないよ」と言われている気がして、職場にも病院にも自分の居場所はないと思っています。

 

子供の頃から「できなかったらどうしよう」という考えが強く、いつも「できなかったら相手は激怒する」という考えを持っていました。

 

今の私の心の中には不安や恐怖、心配事がずっと居続けています。

 

何かを決断したり判断したりすること、考えること、また40代後半である自分の年齢のこと、復職するか休職延長かのリミットが迫っている、何をとってみてもすべてにおいて自信もなく不安と恐怖で毎日を生きています。

 

何もかもが怖いです。

どうか助けてください。

【相談事例②】発達障害の娘を愛することができません。親子関係も崩れてしまってどう過ごしていけばいいのか分からず毎日が怖いです。(鹿児島県40代女性)

発達障害の娘が不登校になり困り果てている母親
私は現在46歳です。

4年前に離婚してシングルマザーとなり、発達障害を持つ小学校6年制の娘と暮らしています。

 

小学校5年生までは普通に学校に通っていて何の問題もないと感じていましたが、娘が小学校6年生になって急に不登校が始まってしまいました。

 

それまでも5年生の時にも何度か「学校に行きたくない」「今日はお休みしたい」といったり、学校に行く直前に「お腹が痛い」「頭が痛い」などと言って学校を休みたがることもありました。

 

その際は担任の先生の協力などもあり、なんとか頑張って学校に通ってくれました。

 

ところが6年生になってからは、学校に行くことを頑として拒否するようになりました。

反抗期とも重なり、朝から親子で怒鳴り合いの喧嘩になってしまうことも度々あります。

 

また最近では言葉遣いも変わってきて、「学校に無理に行かせようとするお前は最低だ!」「お前は何のために私に嫌がらせをするんだ!」と言われたこともあります。

 

結局、仕事があるので私の方が折れて出かけてしまうのですが、気持ちは最悪で毎日が辛く家に帰るのが嫌になってしまう自分がいます。

 

正直言えば、そんな娘の顔も見るのも嫌だし、一緒の空間にいるのも耐え難いです。

 

でも娘は自分の子供なので、嫌悪感を持つなんて最低だと言い聞かせ、なんとか親子間でコミュニケーションを取ろうとは思うのですが、どうしても冷たく接してしまいます。

 

このままだと私にとっても娘にとっても良くないとは分かっています。

すでに親子の関係も崩れてしまっているこの状況で、何をどうして良いかも分からずどうしようもない不安を抱えています。

 

私はいったいどうしていけばいいのでしょうか?

【相談事例③】双極性障害、パニック障害、大人の発達障害と診断されている私は生きる気力もありません。どうすれば私は良かったのでしょうか。(栃木県20代女性)

病院で双極性障害、パニック障害、大人の発達障害と診断され悩み苦しんでいる女性
私は現在28歳です。

 

病院で双極性障害、パニック障害、大人の発達障害を診断され、双極性とパニック障害の治療をしながらA型の就労継続支援所に通っています。

 

躁うつ病になったのは元夫からのモラハラとDV(精神的、肉体的、経済的)、中絶や子供の奪取が原因です。

 

元夫と離婚して子供の親権を取り返せないまま6年が経ち、現在は再婚もして2人の娘が居ます。

 

今は経済的にも厳しく、住宅ローンと車2台のローン、また子どもたちの保育料など支払いが多く生活が苦しい状況でもあります。

 

そんな中でも私がうつになり、仕事もできず休みがちになり日中はずっと寝込んでいる状態です。

 

先日も娘の保育園の送り迎えの件で主人にお願いすると、「保育園の送り迎えを頼むならお前がもっと働け」「お前が働かないから稼ぎが少ない」「生活が苦しいのはお前のせいだ」と言われました。

 

そう言われても今の私は体調が悪いという話をすると「仕事を休みすぎると支払いが間に合わなくなってしまう」「お前の給料が足りないから今の状況になっているんだ」と言われました。

 

こういった夫の言葉で涙が止まらず一気に生きる気力がなくなってしまいました。

 

過去にも2度リストカットを経験したことがありますが、こんなに辛いならもう死んだほうがましだと考えてしまうこともあります。

 

私は何がいけなかったのでしょうか?

私はどうすればよかったのでしょうか?

 

もう疲れ果ててどうしていいのかわかりません。

【相談事例④】14年間共にしてきた発達障害の主人が浮気したあげく暴力を振るいました。精神科の薬も効かず感情が混乱して毎日が辛いです。(広島県30代女性)

発達障害の夫に浮気され暴力を受けた女性
私は38歳で結婚15年目の専業主婦です。

3ヶ月前に14年間共にしてきた主人の浮気が発覚しました。

 

今まで知らなかったことですが、彼には異常なストーカーの面(複数の女性の個人情報の記録、会話の録音など)があることも分かりました。

 

ところが彼は反省するどころか態度を急変させ、激怒するとともに暴力を受けました。

 

夫は発達障害と診断されていて、自己愛性パーソナリティ障害とアスペルガー症候群の症状も出ています。

 

虚言癖、自己誇張、そして威嚇など、今までも思い通りにならないと激怒することは度々ありました。

 

現在、必死に逃げることを考え、離婚を決意し進めています。

 

ここまでは我慢しながらも言われるがまま精一杯やってきましたが、信頼していた主人に裏切られた感と暴力を振るわれたのは事実です。

 

小学3年生の子供がいるのですが、彼も発達障害と診断されています。

今後の生活不安などを考えると不安と恐怖で毎日眠れない日が続いています。

 

私も病院でうつと診断され薬を処方されていますが、感情が混乱している状況の中で薬が効いている感じがしません。

 

毎日が本当に辛くて、もういっそのこと死んでしまいたいと考えることもあります。

でも子供を残したら大変…それなら子供と道連れに…と考えてしまうこともあります。

 

絶望感と恨みと殺意といった感情で頭の中がいっぱいです。

私はこの先どう考えていけばいいのでしょうか?

【相談事例⑤】発達障害、双極性障害と診断され人生に限界を感じています。絶望的な人生をどう生きていけばいいのでしょうか?(東京都20代男性)

発達障害と双極性障害をもち、毎日の人生が辛いと感じている25歳の男性
発達障害と双極性障害を持つ25歳の男です。

正直言って人生に限界を感じています。

 

生まれつき素直な性格で従順でしたが、自分の意思で人生を選択してきたことがほぼありません。

 

子供の頃から親から怒鳴られることが多く、人の顔色を伺いながら行動するようになっていきました。

 

小学生の時に両親が離婚し、母親と2人で暮らすことになるのですが、その母親にもずっと振り回される人生でした。

 

母は機嫌が悪くなるとヒステリーを起こし、大声で怒鳴ったりものを投げつけてきます。

また自分の大切なパソコンを捨てられそうになることもありました。

 

学校ではいつもいじめられていて、クラスの中でもずっと孤立していました。

 

学校に行くのはいつも辛く感じ、毎日本当に行きたくなかったのですが、母に怒られるので我慢して行っていました。

 

そして大学生の頃、病院で受診すると発達障害と双極性障害だと診断されました。

 

その後大学をやめて、自立しようとアルバイトなどで働くようになりましたが、上手くいかず長続きしませんでした。

 

1年前からようやく一人暮らしをし始めたのですが、なんだか絶望的な気分で毎日を過ごしています。

体調も悪く精神的にも不安定で、無力感と虚無感がなくなることはありません。

 

本当は自分でこの状況を打破したいと思っているのですが、様々なことを試してみてもどうしても限界を感じてしまいます。

 

私はそもそも一人で生きていくこともできないのでしょうか?

長生きなんて絶対したくありませんが死ぬ勇気もありません。

 

絶望的な人生をどう生きていけばいいのでしょうか?

発達障害で悩んでいるなら今すぐ誰かに相談することが必須!精神科とカウンセリングの併用療法がおすすめ

精神科で発達障害の診断を受けている女性
いかがでしたでしょうか?

実際にカウンセリングを受けたクライアントの、発達障害で悩んでいる相談事例を5つ紹介しました。

 

それぞれに共通して言えることは「不安や恐怖、心配事」「家族内の辛く苦しい環境」「コミュニケーションが取れない」といった問題を自分一人で抱え、なんとかしようとするができす、最終的には精神的限界にまでなってしまっていることです。

 

そもそも発達障害と診断された場合、学校や就業などあらゆる支援制度をうまく活用していく必要があります。

 

また心の問題については、目に見えないことから放置してしまう傾向が多く見られるようです。

 

目に見えない心だからこそ、よりケアしていく必要があるのです。

心が辛いと感じるのは、自分の心からのありがたいメッセージなのです。

心が辛いと感じたら、それをなんとか乗り越えて頑張っていくという考え方を今日から辞めてみませんか?

 

大切なことは頑張って乗り越えるのではなく、今すぐ誰かに相談してみるということです。

 

今回ご紹介したクライアントの相談事例も、精神科できちんと診断を受け、カウンセラーとの時間を設けることで問題解決に繋がっていきました。

 

ポイントは「頑張りすぎないこと」です。

誰かに頼っていいのです。

 

辛いことや苦しいこと、悲しいことや頭にくること、自分の気持ちを聞いてくれる誰かに話せばいいのです。

 

できれば専門の先生やカウンセラーをおすすめしますが、もちろん信頼できる友人や知人でも構いません。

 

まずはちょっとだけ勇気を出して話して自分の気持ちを伝えてみてください。

 

この記事があなたの気持ちを少しでも軽くすることができれば幸いです。

<発達障害で悩む人におすすめの参考サイト>