良い雰囲気の中で話をする女性クライアントと女性カウンセラー

心理カウンセラーの資格や権威は参考になるが主役はあくまでクライアント

心理カウンセラーに悩みや問題を相談してみようと思った時、数ある施設ルームやカウンセラーの中からどれ(誰)を選んだら良いのか迷ってしまうことってありますよね?

 

自分に合った心理カウンセラーを選ぶ基準の一つとして、そのカウンセラーが持っている心理カウンセリング関連の資格や権威があります。

 

たとえば心理カウンセラーの資格には、公認心理師(国家資格)、臨床心理士、交流分析士、認知行動心理士、家族相談士、産業カウンセラー、キャリアカウンセラー、心理相談員、教育カウンセラーなどがあります(ごく一部です)。

 

そしてそれらの関連した資格を取得する難しさから考えてみると、指定の大学院で専門的に学ばなければ取得できない「公認心理師」や「臨床心理士」の資格を持つ心理カウンセラーは心理を扱う部門での専門家と判断できるでしょう。

 

ところが人の心を扱う心理カウンセリングでは、「心理の専門家」=「良い心理カウンセラー」であるとは必ずしも言えません。心理カウンセラーが持っている資格は、どういった知識や専門性を持っているかという1つの判断材料としておくべき必要があります。

 

なぜなら心理カウンセラーの知識や専門性を知る手段として、資格は参考になりますが、抱えている悩みや問題を解決していくプロセスの主役はあくまでクライアントになります。

 

心理カウンセリングを受けるクライアントと、カウンセラーの「性格や考え方」や「経験や姿勢」が噛み合わなければ悩みや問題を解決できる効果はありません。

 

クライアントにとって心理カウンセラーの選択ミスは命取りと言っても過言ではありません。

 

自分に合ったカウンセラーをきちんと選ぶことが、悩みや問題を解決する第一歩であると言えるでしょう。

心理カウンセラーの具体的な選び方

クライアントに心理療法を丁寧に説明する女性カウンセラー
それでは心理カウンセリングを受けてみようと思った時、どのようなポイントでカウンセラーを選べば良いのか?

あなたに合った心理カウンセラー選びの6つのポイントを具体的に紹介していきます。

①薬物治療(メンタルクリニック、精神科)なのか精神治療(心理、メンタルカウンセリング)なのか?

カウンセラー選びのポイント「①薬物治療(メンタルクリニック、精神科)なのか精神治療(心理、メンタルカウンセリング)なのか?」の説明図
はじめに自分が受けたい治療は、薬を使ったものなのか?対話を通じたものなのか?ということを理解しておく必要があります。

 

メンタルクリニックや精神科は病気を治療することが目的なので、診察と薬物を併用した治療となります。

 

また心理カウンセリングやメンタルカウンセリングは、クライアントがカウンセラーとの対話(認知行動療法、イメージ療法、ホログラフィートークなど)を通じて悩みや問題を解決していきます。

 

もちろん薬物治療は行いません。

 

日常生活や社会生活に大きな支障を感じ、心身共に大きな苦痛を伴っているといったような緊急性が高い場合は、メンタルクリニックや精神科で受診し、薬物治療に専念することをおすすめします。

 

また薬物治療の効果が出てきたタイミングで、並行して心理カウンセリングを受け、カウンセラーと対話するような形がおすすめです。

②カウンセラーがどのような資格を取得しているか?

カウンセラー選びのポイント「②カウンセラーがどのような資格を取得しているか?」の説明図
カウンセラーのプロフィールなどに記載されている資格や権威などをチェックしておきましょう。

 

心理カウンセラーの資格には、公認心理師(国家資格)、臨床心理士、交流分析士、認知行動心理士、家族相談士、産業カウンセラー、キャリアカウンセラー、心理相談員、教育カウンセラーなど多くの資格がありますが、資格の多さや権威性(~大学卒、~大学院卒など)に惑わされず、あくまで知識や専門性を持っているという判断材料のひとつとしておく必要があります。

 

なぜなら心理カウンセラーの資格が多い、またレベルの高い大学や大学院を卒業しているから心理カウンセラーとして優秀ということではないからです。

 

心理カウンセラーとしての資格や権威性は判断材料としてチェックしておきましょう。

 

それでは下記にカウンセラーが取得している資格の例を簡潔に紹介するので参考資料としてチェックしてみてください。

公認心理師
2019年に第一号が生まれた国家資格で、公認心理師カリキュラムを取り入れた大学・大学院に行く必要(大学院修了)があります。カウンセリングでの傾聴、心理療法や心理検査、心理教育や関係者等への支援になどについての専門知識を学びます。

●関連情報:公認心理師に関する概要や法令等|厚生労働省

臨床心理士
大学卒業後に、臨床心理士の指定大学院(もしくは専門職大学院)で定められた科目を履修し、実習経験を経て、大学院修了後に実施される認定試験に合格すれば取得できる資格です。カウンセリングでの傾聴、心理療法や心理検査、地域援助、研究などを学びます。

●関連情報:臨床心理士とは|日本臨床心理士資格認定協会

交流分析士
精神分析と人間心理学を合わせた観点を持つ分析方法を用いて、人の心理や行動を心理学の観点から分析するもので、その結果を仕事や人間関係に活かしてより良い日常生活に導く考え方を学びます。指定された講座を受講し、試験に合格することで資格を取得することができます。また交流分析士は、初級・2級・1級の3種類があり、上位の資格を取得するには前段の資格を持っている必要があります。

●関連情報:交流分析士になるためには|日本交流分析協会

認知行動心理士
傾聴も含めた認知行動療法の実践力をつけ、マインドフルネス認知療法や信頼関係・安心感を引き出すカウンセリング技術を学びます。3日間に渡る講座受講やロールプレイ、実践ワークを実施を実施することで資格(認定)を取得することができます。

●関連情報:認知行動心理士(R)カウンセラー認定講座|青山ココロコート

家族相談士
家族問題の解決に向けた助言や指導、また健康な家族を作るための啓蒙活動を行い、心理的な支援ができる人材を養成する資格です。心理・福祉・医療・教育・産業・司法関係等の専門職であることが受講資格で、指定されたカリキュラムを受講することで資格を取得することができます。

●関連情報:家族相談士とは?|日本家族カウンセリング協会

産業カウンセラー
心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を自らの力で解決できるよう、働く人(個人)と職場(組織)を支援する資格です。

  • 産業カウンセラー協会が開催している講座を修了する。
  • 大学院で心理学、人間科学、人間関係学などの科目を履修し産業カンセリング関連科目(20科目以上)を取得する。

これらのどちらかの受験資格をクリアし、その後の産業カウンセラー試験に合格することで資格を取得することができます。

●関連情報:産業カウンセラー養成講座|日本産業カウンセラー協会

キャリアカウンセラー
就職や転職、職場でのスキルアップを考えている人に対し、適正や経験に応じた職業設計を行い、職業選択や能力開発を支援する資格です。受験資格などはなく、養成講座などを受講し認定という形で資格を取得することができます。

●関連情報:キャリアカウンセラーとは|日本キャリア開発協会(JCDA)

心理相談員
高度な臨床技術の習得ではなく、あくまでも職場のメンタルヘルスケアに関する基礎知識の習得を目的とした資格です。特別民間法人中央労働災害防止協会が認定する民間資格で、認定試験はなく指定された研修に参加することで資格を取得することができます。

●関連情報:心理相談専門研修(心理相談員養成研修)|中央労働災害防止協会

教育カウンセラー
学級経営や授業、特別活動、生徒指導、家庭訪問、三者面談、進路指導、道徳、個人などにおいて、教育とカウンセリングを駆使し展開していく資格です。認定要件(実践歴、研修歴など)を満たし、養成講座を受けた後に筆記試験に合格することで資格を取得することができます。また教育カウンセラーには、初級・中級・上級の3種類があり、上位の資格を取得するには前段の資格を持っている必要があります。

●関連情報:教育カウンセラーとは|日本教育カウンセラー協会

③カウンセリング療法が明確にされているか?

カウンセラー選びのポイント「③カウンセリング療法が明確にされているか?」の説明図
心理カウンセラーが行うカウンセリング療法はどのようなものがあるのか?事前に確認しておきましょう。

 

自分に合った心理カウンセリング療法でなければ効果がなくなってしまう可能性もあります。

 

それでは下記にカウンセリング療法の例を簡潔に紹介するので参考資料としてチェックしてみてください。

認知行動療法
クライアントの思考や行動のクセを把握し、それを元に自分の認知や行動パターンを整理して、生活や仕事におけるストレスを減らしていく方法。
イメージ療法
不安や恐れ、心配事といったマイナスのイメージが頭に浮かんでしまい、精神的に不安定になってしまった状態に対して、イメージを転換してプラスのイメージにするための心理療法。
来談者中心療法
カウンセラーとクライアントが対等な立場に立ち、クライアントが抱えている問題や悩みに対し共感的に理解していく方法。カウンセラーはクライアントの問題や悩みに対し、分析や解釈、指導を行わないというスタイル。
自我状態療法
自分の中に存在している様々な自分(明るい自分、怒っている自分、恐れている自分、深く傷ついている自分、泣いている自分など)が家族を構成しているという設定で、それらのすべての自分と向かい合い、声に耳を傾けながら葛藤の解決や人としての成長を試みていく。
ホログラフィートーク
軽催眠下のトランスワークや自我状態療法の一種で、クライアント自身が、感情や身体に起こる症状の意味を読み取り、自らの力で解決し、自らを癒やすという流れのプロセスを、カウンセラーがお手伝いする形で援助しながら進めていく方法。
解決志向アプローチ
根本的に「問題」と「解決」は関係ないという考え方で、問題は解決する必要はないという形で心理カウンセリングを進めていく方法。クライアントの潜在的な力を引き出すことで問題解決をしていくことが目的。
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理方)
脳を直接的に刺激し、脳が本来持っている情報処理のプロセスを活性化し、過去の体験や苦痛な記憶からのストレスを減少・除去させるほか、自己の見方の改善、身体的苦痛から開放させていくことが目的。
箱庭療法
砂の入った箱の中に、人や動物、植物、建物、乗り物などのミニチュアのおもちゃを置き、何かを表現したり遊んだりしながら自分だけの小さな世界を築き上げていき、分でも気が付かなかった心の動きや表現などを読み取り、カウンセラーと話し合いながら心の問題を少しずつ解消していくのが目的。
芸術療法
言語だけでは説明できないクライアントの世界観や感情といったものを、音楽や絵画、ダンスなどの表現によって理解して問題解決の糸口を探り出し、自己実現への道を切り開くことが目的。
思考場療法
鍼のツボを指でタッピングすることであらゆる心理的問題を改善させていく療法で、不安や恐怖、強迫、パニック、トラウマ、ストレス、うつ、依存などのネガティブ感情をリラックスさせ、クライアントのネガティブな不快感を解消することで心理的問題を解決していくことが目的。

④女性のカウンセラーが常駐しているか?

カウンセラー選びのポイント「④女性のカウンセラーが常駐しているか?」の説明図
心理カウンセラーに相談する内容によっては、男性カウンセラーに相談しにくい内容もあります。

 

たとえば恋愛問題や夫婦問題、セクハラ、ハラスメント、育児ノイローゼ、DVなど女性ならではの悩みや問題は女性カウンセラーのほうが圧倒的に相談しやすくなります。

 

そもそもカウンセリングを受ける際は「安心した状態、安心できる場所、安心できる相手」というのが基本です。

 

総合的に考えてやはり相談できる範囲の広さから女性カウンセラーをおすすめします。

⑤カウンセリングを受けたクライアントがどのような評価やクチコミをしているか?

カウンセラー選びのポイント「⑤カウンセリングを受けたクライアントがどのような評価やクチコミをしているか?」の説明図
クライアントとカウンセラーの相性もありますが、カウンセリングを受けたクライアントの感想や評価などをチェックしてみましょう。

 

カウンセリングルームのクチコミや評価を確認する方法としては、たとえばGoogleやYahooなどで検索してみると、クチコミや評価をチェックすることができます。

 

またカウンセリングルームのホームページ内に「カウンセリングを受けた感想、声」といったものが掲載されているケースもあるのでチェックしてみましょう。

 

実際にカウンセリングを受けたクライアントの感想や声は、カウンセラーを選ぶ際の参考になりますのでぜひ活用してください。

⑥カウンセラーはどんな人間性なのか?

カウンセラー選びのポイント「⑥カウンセラーはどんな人間性なのか?」の説明図
やはり最後に重要になるのはカウンセラーの人間性です。

 

ホームページに記載されているプロフィールや画像(顔など)はもちろんのこと、そのカウンセラーがどんな考え方を持っているかが分かるもの(書籍、ブログ、動画など)をチェックしてみましょう。

 

たしかにカウンセラーとしての資格や権威性は大切なものですが、カウンセリングを受けるクライアントにとって一番重要なのは「安心して相談できる」「親身に話を聞いてくれる」「心の悩みや問題を解決してくれる」といった部分です。

 

書籍やブログではどのような考え方を持っているか?また動画では人柄やしぐさ、そして人間性が垣間見えてきます。

 

こういった周辺情報もカウンセラーを選ぶ際の参考にしてみてください。

「信頼できる気がする」「相性が良いと感じる」「この人なら相談してみたい」といった本人の気持ちが一番大切

信頼できて相性がよく相談してみたい女性カウンセラー
心理カウンセラーがどんなにたくさんの資格を持っていたとしても、最終的にクライアントにとっての悩みや問題を解決できなければ心理カウンセリングの意味がありません。

 

たとえば、臨床心理士が専門的にあつかう問題は、生命に関わるような精神疾患であるケースが多いので、人間関係の悩みや家庭の問題には関心がないというのもしばしばあります。

 

そのため心理カウンセラーを選ぶ際は、取得している資格や権威だけで判断するのではなく、相談したい内容に関連した資格を持っている心理カウンセラーを選択する考え方が1つの基準になります。

 

ちなみに有名カウンセラーの心屋仁之助さんは、心理カウンセラーとしての資格は何ひとつ持っていないそうです。

 

もっと言えば、大学の心理学部を出たわけでもないし、心理学関係の仕事に従事していたわけでもないそうです。

 

それでも心屋仁之助さんは「話を聞き入れる心の広さ」や「愛のある言葉」によって多くのクライアントの悩みや問題から救い出しています。

 

つまり心理カウンセリングに必要なのは、資格や権威だけではないということです。

 

心理カウンセラーにとってとても重要な1番の基本は、クライアントの気持ちを分かってあげられるスキル、そして一緒に問題を解決してく心理カウンセリング技術なのです。

 

最終的にあなたに合った心理カウンセラーは、やはりあなたにとって「信頼できる気がする」「相性が良いと感じる」「この人なら相談してみたい」といった本人の気持ちが一番大切になってきます。

 

そして自分に合ったカウンセラーから心理カウンセリングを受けられれば、悩みや問題をスムーズに解決できるように進めていけるでしょう。

 

最初からあなたに合った心理カウンセラーと出会うのは簡単ではないのかも知れません。

だからこそいくつか問い合わせしてみるなど、自分からどんどん行動していくのが大切なのです。

 

今回ご紹介した6つのポイントを参考にして、心理カウンセラーを慎重に選んでみてください。