公開日:2020年9月26日/更新日:2023年2月11日
監修:遠藤まなみ(代表カウンセラー)
「学校」「職場」「友人」「家族」「近所付き合い」なぜ人は人間関係で悩んでしまうのか!?
人は物心つく頃(一般的に幼稚園児)から、幼稚園、小中高、大学、社会人といったように家族以外の人間との集団生活を経験していきます。
ところが多くの人が他人と関わる時に
- 「つい緊張してしまう」
- 「思ったように話ができない」
- 「親密な関係を築けない」
- 「どう思われているか不安」
といったことがストレスとなり、それが長年の悩みの原因になっている実態があります。
人間関係は、毎日の生活はもちろん人生の未来を左右する大きな問題となるため、人間関係が上手くいかない人は精神的に辛く憂鬱になりやすくなります。
人間関係で悩んでいる人がカウンセリングを受けた相談事例
人間関係が上手くいかず悩むケースは様々です。
実際にカウンセリングを受けたクライアントの相談事例をご紹介します。
【相談事例①】人間関係を良くしたい。発達障害がありADHDの私はどうすればいいでしょうか?(熊本県20代女性)
私は26歳で、現在は障害者専門の就労施設に通っています。
発達障害がありADHDの診断も出ています。
子供の頃はそれほど気にはならなかったのですが、高校生2年生の時に人間関係につまずきうつになりました。
その後東京の大学に進学しましたが、対人恐怖の発症や、うつの影響による思考力の低下、過呼吸、また死にたいと思う希死念慮などもあり精神的に苦しい状態は続きました。
大学をやめて地元に戻りましたが、対人恐怖や治らず希死念慮なども続きました。
そんな中でも、これから先も人と関わらないで生きることはできないと考えてアルバイトを始めましたが、精神状態が悪いまま働いていたため職場に馴染めず、仕事でもミスを起こしてばかりでした。
その後もいくつか職場を点々としましたが、どこも馴染めず続きませんでした。
そんなこともあって家族関係も悪化し、自分一人では何も解決できず相談できる人も見つけられずにいます。
本当は人と関わりたい、仲良くしたい、たくさん話したいと思っているのに、自分が抱える問題のことを考えるとどうしても人から遠ざかってしまいます。
できることなら前に進みたいです。
大人になりたいです。
そして人と仲良くなりたいです。
私はどうしたらいいでしょうか。
【相談事例②】大学受験を控えている浪人生ですが人間関係の構築ができず悩んでいます。(大阪府10代男性)
僕は大学受験を目前に控えている浪人生です。
本来なら勉強に集中するべき時期なのですが、どうしても気になることがあるので相談させて頂きます。
僕は人とコミュニケーションを取るのが苦手で、子供の頃から人間関係の構築に失敗ばかりしています。
中学くらいまではゲームやマンガ、読書が好きで、同じような趣味を持つ友達と関わり合うことはありましたが、積極的に関わり合いたくはなかったので、基本的には1人で行動していました。
ただ中学を卒業する頃に、「このままではまともな大人になれない」と感じ、高校からは心機一転積極的に人と関わろうと決心しました。
ところがこれまでまともな友達もできず、両親ともコミュニケーションが取れていなかった僕が、高校生でいきなり円滑なコミュニケーションが取れるわけがありません。
また他人に対してどう振る舞えばいいのかも分からず、結局以前と変わらない「人間構築ができない自分」に戻ってしまいました。
それでも変われない自分を何とかしたいので、部活動や行事の委員長、文化祭や体育祭などできる限りのことはやってきました。
しかし、そもそもコミュニケーションが楽しいと感じないので、無理をしている僕にとっては毎日ストレスや疲労が溜まり高校生活はまったく楽しくないものでした。
気楽に友人関係を楽しんでいる同級生がとても羨ましいですし、大学に入ったら高校の時のような無駄な時間を過ごすのは避けたいです。
精神的に弱い自分が嫌いなのですが、僕は今後どう生きていけばいいのでしょうか。
【相談事例③】人間関係に馴染めず辛いです。これからの人生どうすればいいか分からず困っています。(東京都30代女性)
今年で36歳になります。
私は昔から人見知りで引っ込み思案でした。
小学生の時に自律神経失調症になり、4年生の夏から6年生の秋頃まで不登校になりました。
中学生になる頃には、すっかり人が怖くなり、自分の気持ちを誰かに打ち明けることもなく自分を守ってきました。
それは高校生から専門学校に入るまで続きましたが、専門学校でも結局人間関係に馴染むことができず中退しました。
専門学校中退後はコンビニのアルバイトなどフリーターを経験し、その数年後に食品会社の正社員になりました。
今はその食品会社で販売の管理職を任されています。
仕事の面だけで言えば認められるようになったものの、人の汚さばかりが目について精神的に疲れます。
仕事はしていますが、本音を言えば自分は何をしたらいいか分からない、人生をどうしたいのかも分からない。
毎日毎日自分の気持ちとは裏腹に笑ってばかりでまるでピエロのようです。
家族とはコミュニケーションも取らず疎遠状態で、もちろん仕事でもプライベートでも友達はいません。
恋人は長く付き合っても頼り方や頼られ方が分からない。
自分が何を考えどうしたいのかが分からず、ただ意味がないと感じる毎日をなんとかやり過ごし、ストレスで過食や浪費に走り消耗している自分が大嫌いです。
このまま自分自身、身動きが取れず心身ともに壊れていくのを待っているようで怖いです。
私はいったどうすればいいのでしょうか?
【相談事例④】親から精神的虐待を受けていました。誰も私の悩みや辛さを分かってくれません。(埼玉県40代男性)
私は幼少の頃から放任、無関心、無視といった精神的虐待(ネグレクト)を受けていました。
小学校から高校までの人間関係はとても辛く、毎日いじめを受け続けるような生活をしてきました。
いじめを受け続けても無理をしていい顔をすることを続けていましたが、20歳になる頃に精神的な辛さから幻想や妄想が強くなるという症状が起こりました。
誰もいないのになんとなく人の声が聞こえてきたり、近所を歩いていると誰かに襲われると感じたりしたことが度々ありました。
これは普通ではないと思い病院に行ったところ、統合失調症の診断を受けました。
これまでいじめられ続けたことに対する強い恨みや怒り、喪失感や激しい感情を、心の中にずっと押さえつけふさぎ込んでいたものが統合失調症という形で現れたのだと思っています。
その影響もあってか、人間関係が良くなることはなく、友達と言える存在はひとりもいません。
その後何年も診察を受けてきましたが、本当にただ診察を受けているだけで心の辛さ苦しさは何の変化もありません。
精神科の先生やカウンセラーも誰も私の辛さを分かってくれません。
ただ苦しさに耐えるだけの生活を何年も送っている状態です。
何をするのにも億劫で、この辛さが一生続くのかと思うと苦しくてたまりません。
私はただ幸せに暮らしたいだけです。
本当に誰かに助けてほしいです。
【相談事例⑤】人間関係のもつれから抗うつ状態に。適応障害を繰り返す私はどう対処すれば上手く生きていけるのでしょうか?(神奈川県30代女性)
現在32歳独身です。大学に通っていましたが、ある時から通学や講義がとても辛く感じるようになりました。
毎日ではなかったのですが、憂鬱になったり湧き上がる不安感を強く感じるようになりました。
結局は大学を続けることができず中退してしまいました。
その後は主にパートで仕事をしていましたが、最初の職場で人間関係のもつれから抗うつ状態になりました。
それをきっかけに気分の波が激しくなり、良くなったり悪くなったりと、とても仕事ができる状況ではなくなりました。
その後は何度も転職を繰り返しましたが、今の職場では人間関係のもつれや激務などはまったくなく、一般的に見てもとても恵まれた環境だと感じています。
ところが自分の気持ちとは違って、出勤日前からの抗うつ感や不眠、朝方の動機や絶望感、どうしても体が動かない、といった症状があったため病院を受診すると、適応障害と診断されました。
仕事を退職して療養すると仕事に復帰したくなり、仕事をすることが楽しみに感じることもあるのですが、いざ仕事が始まると自分ではコントロールできず欠勤してしまうのは適応障害の症状だと思われます。
現在お付き合いしている彼がいて、人よりストレスを感じやすい体質だということは伝えていますが、適応障害の辛さや悩みを打ち明けるのは怖くてできません。
いつまでたっても、自分では頑張ろうと思っても、同じ失敗を繰り返している自分が悔しいし辛いです。
こんな私が上手く生きていくにはどうすればいいのでしょうか?
素直に相談し人間関係改善の方法を見つけ出すことが重要!悩み解決を効果的にお手伝いするのがカウンセリング
いかがでしたでしょうか?
実際にカウンセリングを受けたクライアントの、リアルな相談事例を5つ紹介しました。
皆共通して言えることは「悩みや問題を誰にも相談しない」「辛い思いをひとりで抱えてしまっている」「心の苦しさを自分だけで解決しようとしている」ということです。
人間関係が上手くいかず悩み苦しんでいる人はたくさんいます。
そんな心の問題を長い時間背負って生きている人がいる反面、心の問題を解決し人間関係も改善し、生きやすい自分へ歩み始めている人もたくさんいます。
その違いはいったい何でしょうか?
それは「人に相談する」「自分を変えようとする」「考え方を変える」ということです。
一歩だけ勇気を出して相談する、その先に自分をどのように変えていくのか理解し、そして最終的には自分の考え方を今と違う考え方に変えていくことで、人間関係に対しての捉え方も変わっていきます。
今回ご紹介したクライアントの相談事例も、まずは勇気を出して相談することができたからこそ問題解決につながっているのです。
人は生きていく限り人間関係が必ず付きまといます。
その人間関係が苦しいものだったり辛いものだったりしたら、人生そのものが苦しく辛いものとなってしまいますよね。
もし人間関係で悩みや問題を抱えていたとしたら、決して放置せず少しだけ勇気を出して専門の先生やカウンセラーに相談してみてください。
心は言葉を話しませんが、辛いと感じたり苦しいと感じた時は「心が悲鳴を上げているシグナル」だと思ってください。
そしてその「心のシグナル」を絶対に無視しないようにしてください。
この記事があなたの人生をより良くするきっかけになれば幸いです。