公開日:2020年10月4日/更新日:2023年2月4日
監修:遠藤まなみ(代表カウンセラー)
「価値観」「金銭感覚」「子育て」「教育方針」「浮気」「DV」「セックスレス」なぜ夫婦関係は悪化してしまうのか!?
運命的な出会いを経て、お互いにとって幸せな結婚を迎える日。
この日は2人にとって最高のひとときであり、これからスタートする夫婦生活は期待とワクワクでいっぱいです。
ところが愛し合う2人が結婚したのをピークに、それから夫婦関係が悪化してしまうというケースはよくある話です。
確かにもともとは赤の他人だった男女が一緒になり共に生活していくわけですから、考え方や意見の違いが出てくるのはごく自然なことです。
ただ、夫婦関係が悪化しないようにお互いが寄り添っていくのが夫婦生活ですが、一度悪化してしまった夫婦関係を改善していくのはとても厳しく、離婚という最終結果になってしまうことが多いのが実情です。
夫婦関係で悩んでいる人がカウンセリングを受けた相談事例
様々な原因がもとで、夫婦関係が上手くいかず悩んでしまうケースは非常に多いと思われます。
実際にカウンセリングを受けたクライアントの相談事例をご紹介します。
【相談事例①】突然不安になり自信が持てず、それが原因で夫を苦しめています。もっと自立した夫婦関係を築きたいのですが…(東京都20代女性)
私は29歳の女性です。
結婚して約2年の35歳の夫がいます。
普段は夫婦仲が良く、周りからは羨ましがられることが多いのですが、夫婦喧嘩になってしまうことが度々あります。
喧嘩の原因は私が夫に言ってしまう言葉だと思っています。
夫との毎日はとても楽しいのですが、私自身が突然不安な気持ちに襲われると、言わなくても良いようなことまで夫に言ってしまい、それが夫を不快にさせ夫婦喧嘩となってしまいます。
自分では分かってはいるのですが、漠然とした不安にとらわれると心臓がバクバクしてしまい、頭の中もいっぱいになり、夫に対して厳しい言葉を投げつけてしまいます。
そのような考え方になってしまう自分を直して、もっと楽に生きたいと思っています。私が不安になる原因としては、
・夫は仕事で綺麗な女性や新しい出会いが多い
・仕事で出会う女性との会食やお酒を飲むことが多い
・仕事で夜の時間帯に外出することがある
夫はとても優しくしっかりとした人です。
もちろんお酒を飲んで理性を無くすような人でもありません。
また仕事は自宅事務所ですることが多いためほとんど毎日一緒にいる状況ですが、夜に外出する時は仕事関係だと理解していても極端に不安になってしまいます。
最近では私が厳しい言葉や嫌味を言ってしまうことに、もうそろそろ耐えられないと言われました。
心が締め付けられるように感じるそうです。
そのためか夫婦の夜の営みもかなり減りました。
もともとの夫婦仲は良いので、安定した夫婦関係を築きたいのですが、どのようにしていけば良いでしょうか。
【相談事例②】妻と離婚したいのですが義両親との膨大な住宅ローンが…私はいったいどうしたらいいでしょうか?(神奈川県40代男性)
私は45歳で結婚7年目です。
妻は42歳でお互い共働きです。
約5年前に妻が妊娠したのですが、その後子供を死産してしまいました。
その出来事がきっかけで微妙に夫婦関係にヒビが入ってきました。
妻も私も子供が欲しかったので不妊治療を続けていましたが、なかなか子供ができなかったので、私の精子検査を実施したところ、精子が弱いために着床できないということが判明しました。
その結果を受け入れ、妻は子供を諦めたようでした。
それからは些細なことで夫婦喧嘩が絶えなくなってきました。
夫婦関係は悪化し、私の精神状態にも異常が出てくるようになりました。
- 妻との会話が成り立たない
- 妻の気持ちがわからない、言われなければ気づかない
- 忘れやすい、話を聞けない、言い訳が多い
- 落ち着きがなく、外出が多く、家事もおろそか
私自身、精神的におかしくなってきていると感じたので、病院で受診すると発達障害(自閉症スペクトラム、注意欠陥・多動性障害)と診断されました。
私と生活することで、妻自身も精神的におかしくなり、カサンドラ症候群になってしまいました。
現在妻からは離婚したいと言われていますが、4年前に妻の両親との2世帯住宅建てているので膨大な住宅ローンが残っています。
妻と離婚し、土地や住宅の権利も放棄して1からやり直したいのですが、現実はそうはいかずローンは払い続けていかなくてはなりません。
私はいったいどうしたらいいでしょうか?
【相談事例③】不倫している夫から離婚を突きつけられています。夫を愛しているし子供も2人いるので離婚はしたくありません。(北海道30代女性)
夫は約1年前から不倫をしています。
そのことが背景にあるのだと思いますが、6ヶ月前に夫から離婚したいと訴えられました。
それからは「俺は自由にする」「俺のことは構わないでくれ」「俺はやりたいことをやる」という感じで堂々と不倫をするようになりました。
小学3年生の娘と6年生の息子の前でも普通に不倫相手に会いに行きます。
もちろん子供たちも夫の不倫に気づいています。
また不倫が始まった頃から、子供のことは考えられないと言ってどこにも連れて行ってあげてくれません。
夫は仕事から帰ってくるとお風呂に入り、ご飯を食べた後に不倫相手の家に出かけて行きます。
21時頃出かけて行って、翌日の3時頃に帰ってくるという感じです。
夫の不倫発覚後からこのようなことが続き、私は寝てもすぐに目が覚めたりして不眠状態が続いています。
私が離婚に応じないからだとは思いますが、最近夫は特にイライラしているようです。
そんなに私と離婚したいの?そんなに私と一緒にいるのが嫌なの?って思えるほどの態度で接してきます。
正直言って私は夫と離婚したくありません。
2人と子供のことももちろんそうですが私は夫を愛しています。
夫には何とか不倫をやめてもらい、昔のような仲の良い家族に戻りたいのですが、私はどうすればいいのでしょうか。
【相談事例④】普段は真面目で穏やかな夫が盗撮で警察に逮捕されました。私は彼に対してどう対処していくのが良いのでしょうか?(大阪府50代女性)
20年連れ添った夫が盗撮で警察に逮捕されてしまいました。
その日私は夫を迎えに行き、この後数回警察に出向き、その後処分が決まるということでした。
普段は仕事も真面目にこなし穏やかな夫が、盗撮で捕まったという事実に対し、私自身もショックが大きく、今でもかなり動揺しています。
夫と帰宅後に話し合いましたが、盗撮はもう二度としないと言ってとても反省しているようでした。
今回は、遠くにいる若い女性の画像をスマホで撮ろうとしていたところ警察に声を掛けられました。
正直に事情を話したところ、この件だけなら始末書を書いて終わらせようということでしたが、警察の方がスマホの画像フォルダを確認したところ、過去の盗撮画像や動画が150件ほど見つかったということでした。
夫の話では5、6年前から盗撮をするようになったと言っています。
夫は真面目で穏やか、仕事も一生懸命で、今までの夫婦生活での人柄や生き方を見てきても、今回のことはとても想像できるものではありませんでした。
もちろん夫婦関係も良好で、夫婦喧嘩もしたことがないくらい素晴らしい夫です。
また夫は会社役員で立場のある人でもあります。
普段の夫ならば、今回の件を踏まえて盗撮は2度とやらないと信じたいのですが、こういった件に関しては例えどんな人でも一種の病気的(性依存症)なもので、やってはいけないと分かっていてもやってしまうことが多々あるようです。
私自身が冷静にならなければならないと思っています。
この先の人生、私は夫をどう支え対処していくのが良いのでしょうか?
【相談事例⑤】結婚して6ヶ月くらいから夫との性行為がまったくなくなりました。夫婦関係を構築していくためにはセックスが必要なのでしょうか。(福岡県20代女性)
私は28歳、夫は35歳で新婚2年目の夫婦です。
結婚して半年を過ぎた頃から性行為がなくなりました。
もともと行為の頻度は少ない方で、週に1回あるかないか程度だったのですが、セックスレスになってから約1年が経過しています。
セックスレスになった理由などを話し合ったところ、夫が飲んでいるホルモン系のサプリメントによって性欲が減退していることや、性行為や子作りなどはもう少し待ったほうがいいと思っている、と話してくれました。
ただ私は子供も欲しいので、そろそろセックスレスを解消したいとも思っていました。
それを夫に伝えると「そろそろ良いかもね」と言ってくれました。
ところが行為のお誘いはいっこうにありません。
普段私の方から積極的にスキンシップを求め、夫がそれに応えてくれるので、セックスレスのままですがそれで満足している自分がいます。
むしろセックスをするのが面倒な気持ちにもなってきています。
夫とのスキンシップで幸せだと感じる反面、セックスがしたいというより、した方がいいのでは?と思うこともあります。
このままずっとセックスレスが続くのかという不安もありますが、やはり夫婦関係を構築していくためにはセックスが必要なのでしょうか。
悪化してしまった夫婦の話し合いには第三者が必要!夫婦関係修復のためにカップルカウンセリングもおすすめ
いかがでしたでしょうか?
実際にカウンセリングを受けたクライアントの、リアルな夫婦問題の相談事例を5つ紹介しました。
それぞれに共通して言えることは「夫婦関係の悪化の原因」「夫婦が抱える問題」「夫婦の考え方の違い」を自分ひとり、または夫婦の二人だけでなんとかしようとしていることです。
そもそも夫婦関係が悪化する原因は、夫や妻の考え方や言動、行動がほとんどで、狭い世界の中で起こっている出来事なので、その部分しか見えていない2人には解決できるはずがないのです。
つまり夫婦の問題を確実に解決するためには、夫婦2人を俯瞰(ふかん)的に見ることができる存在である第三者が必要なのです。
今回ご紹介したクライアントの相談事例も、夫と妻の間に第三者としてカウンセラーが入ることで問題解決に繋がっていきました。
悪化してしまった夫婦にとって、話し合いを進めていくには第三者の協力が必要です。
その第三者とは、誰でも良いというものではありません。
信頼できる共通の友人、自分の両親や相手の両親、弁護士、警察、カウンセラーなど、夫婦問題の状況に合わせ適切な第三者を選択する必要があります。
この世に生まれ、縁あって運命のパートナーと出会い、そして愛し合い、生涯大切にすると誓って結婚しているわけです。
結婚する相手はあなたにとって大切な存在なはずです。
ちょっとした性格の不一致や価値観の違いで離婚するのはもったいないとは思いませんか?
生まれてきた場所や育ってきた環境、性格や考え方が違うのは当たり前ではないでしょうか。
そんな時は、原因をはっきりさせて取り除く努力をしていけば、また元の新婚当時のような新たな気持ちでベストな夫婦関係を再構築することは可能です。
夫婦関係を良好にするポイントは、相手を変えようとするのではなく自分が変わるということです。
なぜなら自分が変われば相手も変わるからです。
この記事があなたの夫婦関係をより良くするきっかけになれば幸いです。