公開日:2023年4月26日/更新日:2023年5月16日
監修:遠藤まなみ(代表カウンセラー)
アダルトチルドレンの特徴と傾向をセルフチェックで自己分析してみよう!
アダルトチルドレンには様々な特徴や傾向が見られます。
そもそもアダルトチルドレン(Adult Children、略してAC)とは、子供の頃に受けた家庭内で起こる親との関係が原因で心が傷つき、何かしらのトラウマ(心的外傷)を持ったまま大人になった人を指します。
アダルトチルドレンを抱えた大人には共通する特徴や傾向が見られます。
まずは自分がアダルトチルドレンの可能性があるかセルフチェックしてみましょう。
- 自分自身が孤立し、他人や目上の人を恐れるようになる。
- 承認欲求が生まれアイデンティティ(自我同一性)を失う。
- 他人の批判や怒りに怯え敏感になる。
- 自分に批判的になり別の人格を求めるようになる。
- 被害者視点で人生を生きるようになる。
- 自分のことを顧みず、他人に関心を持つようになる。
- 自分でコントロールできない変化に過剰に反応する。
- まじめに考えすぎて何事も楽しむことができない。
- 自分は他人とは違う生き物だといつも感じている。
- 他人と親密な関係を持つことができない。
セルフチェックの結果はいかがでしたか?
当てはまる項目が4つ以上ある場合はアダルトチルドレンに該当する可能性が高いです。
ただし、上記のセルフチェックの結果は確信的なものではなく、現在もそれらの信頼性や妥当性についての研究や立証は継続しています。
従ってこれらの結果についてはあくまで参考程度に捉えて頂けると幸いです。
アダルトチルドレンの種類にはどんなものがあるの? 代表的な6つのタイプを徹底解説!!
アダルトチルドレンは、過去の辛い経験から強い警戒心を持つようになり、自分の周りの環境を常に危険だと考えてしまう傾向があります。
それはつまり、子供時代に家庭内で経験した
- 虐待
- 依存症
- 機能不全家族
- 毒親
などをもった親の行為が原因で生み出されてしまうものです。
そしてアダルトチルドレンは、心の中で抱える不安や苦しみとのバランスを取るために、大きく分けて6つのタイプに分類されます。
【アダルトチルドレンのタイプ①】ヒーロー(英雄)
アダルトチルドレンの「ヒーロータイプ」は、勉強やスポーツで優れた成績や評価をもらうことを最優先にしています。
また一生懸命に頑張る真面目な姿から周囲に頼りにされる存在となります。
しかし、その努力の背景には「親の期待に応えたい」という防衛的な考え方があり、どちらかと言うと自分のためではなく家族のために努力し続けてしまいがちです。
またヒーロータイプの子どもは、強い意志と愛情を持ってますが、過剰な努力によって自分の感情を抑えてしまうことがあります。
その結果、挫折や失敗を経験したタイミングで心がぽっきりと折れてしまうことがあります。
これは、自分が世間で評価される存在となることで、周囲の期待が高まり、その期待に応え続けるプレッシャーを感じるからです。
【アダルトチルドレンのタイプ②】スケープゴート(生贄)
アダルトチルドレンの「スケープゴート」は、家族の中で悪者や問題児の役割を担い、周囲から憎しみや怒り、不満などを引き受ける「感情のゴミ箱」的な存在です。
家庭内の問題や負の感情に対して、自らが非難や責任を押し付けられ、そのことで家族の崩壊を防ぐバランス的な役割を果たしています。
しかしスケープゴートは、家族間の問題や負の感情を背負い込む重圧の中で生きているので、周囲から理解されない孤独感を感じることが多くなります。
また自分の存在価値を見出すことに苦しみを感じ、罪悪感や非難の感情に悩まされることも少なくありません。
スケープゴートは、ヒーロータイプの裏返しとも言える存在です。
【アダルトチルドレンのタイプ③】ロストワン(いない子)
アダルトチルドレンの「ロストワン」は、家族の中で存在感を消し、関係を断ち、ひっそりと生きることを選ぶ傾向があります。
また同じ家族でありながら孤立し、疎遠になることを望み、自己防衛のために家族との距離を置こうとします。
これにより孤独感や拒絶感、無気力感、希死念慮などの感情に苦しむことがあります。
ロストワンは、家族から切り離されたり疎遠になったりする経験を通じて、家族以外の環境での自己成長や人間関係の築き方を学ぶことが求められます。
しかし家族に対しての考え方と同様に、人間関係を築くことは苦手と捉えることが多くなります。
【アダルトチルドレンのタイプ④】ケアテイカー(世話役)
アダルトチルドレンの「ケアテイカー」は、家族の機能性を維持して崩壊を防止するために、自分自身の問題や感情を後回しにして他人を支えます。
分かりやすく言えば、家族の世話を献身的に行い、自分を犠牲にすることが特徴です。
そもそもケアテイカーのタイプは、アダルトチルドレンの原因となる機能不全家族などの逆境に満ちた家庭環境で育ったにも関わらず、家族を大切にし、親の役割を果たすことが多い傾向があります。
しかし、過剰な世話焼きや自己犠牲で自分自身の問題や不安、ストレスと向き合わずに済みますが、その結果、世話焼きや自己犠牲に依存してしまうことが少なくありません。
またその過剰な行為は他人から「過干渉」「余計なお世話」と捉えられてしまうことがあり、人間関係のトラブルに発展するケースもあります。
【アダルトチルドレンのタイプ⑤】ピエロ(道化師、クラウン)
アダルトチルドレンの「ピエロ」は、家族の暗い雰囲気を和らげるためにおどけたり、くだらない冗談を言って周りを笑わせる役割を担う傾向があります。
見ただけでは明るく陽気な性格に見えますが、実際は過度に雰囲気を読んで、人の顔色を伺い、心の中では緊張しながら行動しています。
ピエロタイプは、表面上は愛想良く振る舞いつつ内心では苦悩しているケースが多く、その苦しみを表に出さないように努めています。
ある意味では自己犠牲的な役割も果たしながら、自分の心の傷や悩み、問題、葛藤を抱えています。
ピエロタイプは、その明るさから周囲に可愛がられペット的な存在で扱われることが少なくありません。
しかし、その道化師の仮面の下には寂しい素顔が隠れています。
【アダルトチルドレンのタイプ⑥】イネイブラー(自己犠牲、献身的)
アダルトチルドレンの「イネイブラー」は、ケアテイカーと似ている部分があり、自己犠牲的で献身的に尽くす傾向があります。
イネイブラーは家族の暗い雰囲気を回避するために明るい雰囲気を作ることを試みますが、その行為が相手の問題を悪化させてしまう場合があります。
分かりやすい例で言えば、アルコール依存症の人に対して躊躇(ちゅうちょ)なくアルコールを用意するような行為です。
これは相手の依存を助長するような行動で、相手にとっては問題がさらに大きくなってしまう原因になります。
またイネイブラーは他人の世話に専念することで、自分自身の抱える問題から目を背ける傾向があります。
機能不全家族の環境での一例を挙げると、長男がヒーローやスケープゴート、そして長女がイネイブラーとして家族の世話役を担うというケースもあります。
【まとめ】「私は◯◯◯タイプ」と判断してしまうより広い視野で全体的に見てみることが大切
いかがでしたか?
今回はアダルトチルドレンの種類を大きく6つに分けて詳しくご紹介しました。
今分かっていることで言えば、アダルトチルドレンのタイプは、細かく分ければさらに多くのタイプが存在しているとも言われています。
ただこれらのタイプは、それぞれが微妙に似通っている部分も多いため、「私は〇〇◯タイプ」と判断してしまうより広い視野で全体的に見てみることをおすすめします。
また冒頭で紹介している「アダルトチルドレン診断セルフチェック」もぜひ活用し、本当の自分自身を知る上でのひとつの判断材料としてもらえると幸いです。
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